詩
詩
今、坂村真民さんの「念ずれば花ひらく」の随筆集を手にとっています。
随筆集の中で真民さんは次のように言われています。
念ずれば花ひらく(題)
念ずれば
花ひらく
苦しいとき
母がいつも口にしていた
このことばを
わたしもいつのころからか
となえるようになった
そうしてそのたび
わたしの花がふしぎと
ひとつひとつ
ひらいていった
この八字十音のありがたさが、本当にわかるようになるまでは、わたしも幾多の試練を受けねばならなかった。かつてない大きな戦争、かつてない敗戦、その間、三人の男の子は三人とも赤い召集令状をもらって死を覚悟して出ていった…
戦中戦後の日本の貧困と混乱期に三十代で未亡人になり五人の子どもを育て上げた真民さんの御母様の事がこの随筆集に書かれています。真民さんの詩を読むと、私は自分の小ささがよく分かります。
振風苑の利用者様は、それぞれのお方のお母様が(もちろんお父様も)一心に愛情を注がれて開いた花だと思いました。やさしい花、美しい花、清らかな花、かわいらしい花、ちょっとイタズラ好きの花、元気な花…みんなみんなかけがえのない大切な存在。
私たちの何よりの励みとは、皆様の健康や成長をご家族さまと共に喜び合えること、憂いは愛別離苦の辛さを味わうこと。
いろいろな事を考えながら詩集を手に取っています。