創作活動の醍醐味
創作活動の醍醐味
利用者様は創作活動を通じて、友達やスタッフとコミュニケーションをはかり、自己表現の世界を体験されています。
作品の多くは、身の回りにある新聞紙、段ボール箱、使用済みの箱やケースなどどこにでもあるものを活用しています。
捨てられてしまう廃材に一工夫すると全く新しいものに生まれ変わるところが創作活動の醍醐味でもあります。
何より失敗がありません。誰でも何度でもチャレンジできます。自分の得意な作業に参加することができます。材料を丸めたり、小さくちぎったりするうちに次第に変化してゆく様もおもしろいものです。
四季折々の変化を表現する事で、その季節特有の味わいを感じることができます。小さなかわいらしい作品から、皆で取り組む協同作品まで、大きさも題材も様々なのでその可能性は無限大です。
今年度、創作した最も大きな壁画は尾形光琳の「紅白梅図屏風」と俵屋宗達の「風神雷神図 屏風」をモチーフにした作品です。小さなパーツを利用者様が、段ボールや新聞紙を切る・千切る。色を置く。貼り合わせるなどの工程を進めます。パーツは予め配置を計算されていますが、手元の創作過程では全体のどの部分であるのかは分かりません。完成した各パーツが、パズルかみ合うように組み込まれてゆくと次第に全体が見えてきます。これも大きな作品の楽しみどころの一つです。
どんな大作も、小さなところから一歩ずつ成されてゆく過程は、山登りにも似ています。この過程は作品によっては数カ月に及ぶものもありますが、利用者様の努力が実を結ぶとき、完成した感動もひと際味わい深くなります。
「わ~!」「すごいね~!」感動は言葉にならなくても一人一人の表情や目の輝きに見て取れます。利用者様の無垢な心とたゆまぬ努力が作品のエネルギーになります。より良いエネルギーは見るものの心を揺さぶります。そのことを文化祭最終日の講評で伝えられたことは望外の喜びでした。
利用者様とスタッフが一つのチームとして取り組むのが振風苑スタイルです。チーム「ゆかいななかまたち」中に全ての人が内包されています。一人一人が認められ尊重される世界です。