知恵くらべ
知恵くらべ
Aさんは帰宅前になると次々に新しいこだわりを見出して送迎車両の出発時間が遅れることもしばしばです。「お家に帰ります。帰る準備をして下さい。」とお願いしても一連のこだわり行動が済むまで全く動く気配を見せてくれません。早めに声かけたり、Aさんの気が済むまで待ってみたりしてみましたが、椅子の足の位置を何度も変える行動に始まり、作業室の大きな棚の物品の位置をかえ、更衣室のロッカーの中身をさわり、ようやく履物を変えます。その間少しでも促すと座り込みを繰り返します。
担当のスタッフMさんは粘り強さでは誰よりも辛抱強い方ですが、どうしたものか悩みがつきません。
そこで最初にこだわりのスイッチの入る椅子の足に触れないようAさんに紙と鉛筆を手渡し大好きな絵や文字を書くように促しました。送迎の時刻が来ると絵を書く時間が終了したことを伝えそのまま玄関に誘導しました。
帰宅までの行動でこれまで定着した流れを替え、遊び終えたAさんを褒めながら送迎車両に乗り込むまで迅速に対応しました。(対応したのは担当のAさん、ベテランHさん、やさしい看護師のTさん)対応した職員の笑顔と褒め言葉に乗って今日は足取り軽く送迎車両に乗り込みました。
一度定着した行動の流れを変えることは難しい場合が多いのですが、Aさんがスムーズに必要な行動が行えるように生活の様々な場面の中でチャンスを捉えその成長を支えたいと思います。