手腕
手腕
薬を飲むことが苦手な方には毎回苦心惨憺の末服用して頂いています。服薬がスムーズに行えるだけでも素晴らしいことです。
ヨーグルトやプリンなどに混ぜる、お菓子のように見せかける、それでもダメな時はひたすら褒めて心地よい気分になって頂き何とか口中へ…これだけで1時間格闘することもあります。
そんな服薬格闘記(本が一冊かけそうです。)を更新しているNさんに振風苑ゆかいなスタッフOさんがいとも簡単に薬を飲ませることに成功していました。「さあ、今からお薬を飲みましょうね~。」などと調子よく声かけしながらご本人様の手に錠剤を一つずつ渡します。「はい、どうぞ。」と言いながらニコニコ見守っています。すると本人様は笑顔で薬を口中に入れるではありませんか。用意された水を飲みながら残る薬も嫌がることなく全部口中に入ってゆきます。
私は思わず心の中でつぶやきました。
「ヒントはOさんの雰囲気と風貌なのかしら?いつも飄々として何か特別なものを持っているようには見えないけれど、でもそこがミソなのかも知れない。そう言えば、昼食時に毎回居残りさんグループにいた方もOさんの支援するテーブル席になって気づけば時間内完食が出来るグループに変わってたわ。」
「能ある鷹は…」ひょっとしてOさんは秘めた支援力を備えたその道の達人だったのかも知れない。その能力をあえて表に出さず皆さんからは愛称「どんぐりさん」と呼ばせているのだわと最近密かに思っています。