花起こしの雨
2016.03.18
カテゴリ:ブログ
花起こしの雨
桜の花が咲く前に降る今日のような雨を、昔の人は「花起こしの雨」と呼んだそうです。しっとりした少し暖か雨の恵を受けていよいよ蕾は膨らみやがて満開の桜の花を咲かせるのでしょう。
何とも風情のある表現です。色の和名もこの雨のように実にたくさんの表現があります。ピンク一つを例にしても日本の気候と風土の中で育った先人の目には微妙な違いを見分け美しい日本語で表現しました。(「退紅」(あらぞめ)、桜色(さくらいろ)聴色(ゆるしいろ)等)
農耕の中から育まれた人の温かさややさしさは、DNAを通じて脈々と受け継がれていると思います。社会の発展と逆行するように毎日のように悲しいニュースや事件を目にする度に胸が痛みます。
振風苑は小さな施設ですが、ここに集う皆さんには人を思いやる愛で溢れています。人間の本質が求めているものは争いではなく、人と関わる中で生れる愛や絆だと思います。
日々皆様と関わらせて頂く中で、ますますそのような思いが強くなります。