母の愛は…
母の愛は…
職業がらいろいろなご家族様と連絡を取り合ったり、ご相談などをさせて頂いています。
ご家族様の思いや利用者様の背景から私たちは大切なことを学んでいます。例えばお手紙を頂いても、文字にも表せない心苦しさ、葛藤、悩みなどを行間から汲み取ったり感じ取ることがとても大切であることを皆様から教えて頂きました。
二十数年の勤務経験と子育て、父や義母の介護などが私の経験としての財産です。その拙い経験と照らし合わせながら今ご家族様の抱えていらっしゃる悩みや苦悩を感じとりながら、福祉従事者として施設の職員として何が出来るのかということが日々の課題でもあります。
利用者様は総じて振風苑ではとても落ち着いて過ごされ、時にはご家族様が驚かれるような事まで成し遂げることがあります。
反面ご家庭ではご家族様、特にお母様に対して特別な行動を取られる方が少なくありません。日中果敢に生活の課題に取り組まれたり苦手な事にもチャレンジされている皆様は施設とご家庭で精神のバランスを取りながら日々元気で過ごされてると思っていました。でもそのギャップがあまりに大きかったり、お母様だけにマイナスのエネルギーをぶつけるようになるといくら愛おしい我が子であっても悩み傷つきます。母親は新しい生命を授かった時より無償の愛でお子様を育まれています。自分の命に代えてもお子様を守るためならばどんな苦労も厭わない 利用者様のお母様はそのような方ばかりです。若い頃、私も厳しかった父に逆らえなかった分、母には甘え暴言で傷つけてしまったことがあります。
今 自分が母親になって初めて父や母の愛を分かったような気がしています。簡単に答えの出せる問題ではありませんが、日々の支援を通じて私たちにできる事を見出し利用者様ご家族様の幸福や喜びに繋がることが何よりの望みです。
人は切ない気持ちになる時、苦しさで胸が一杯になるとき、共通の思いで通じ合い胸の内を吐露出来る人や場所がどなたにも必要です。
何のお役にもたてずがっかりされることもあるかも知れませんが、そんな皆様のお気持ちを受け止められる職員集団でありたいと願っています。
