元気で明るい愉快な仲間たちが、日々の活動を展開しています。笑いあり・珍騒動あり・パワーあふれる振風苑です。 是非一度遊びに来てください。 見学随時OKです。

障害者支援施設 振風苑

待つこと

待つこと

 土井善晴さんの著書の中で火加減に触れた内容があります。「必要以上に触ると鍋が火から離れるので鍋の温度が下がる。それでは焼き色がつく前に、具材の表面が傷んで口当たりが悪くなり、素材から水分さえ出てくる。決して火と戦うのではなく、火をコントロールできる範囲にとどめ、火と仲良くする事が料理だ。」又、「じっとしていること。手は動かさない。手を動かすことが調理だと思っている人も我慢すること。」とあります。
 この文章に触れたとき、私たちの支援と深い繫がりを感じました。
利用者様の主体性を生かすことは取りも直さず、利用者様が自己の課題に向き合っているときに待つことが肝要です。常に何かをして差し上げねばと思う気持ちに陥りやすいのですが、そこをぐっと堪えて利用者様が精いっぱい取り組めるまで待ちます。それでも足りないところを支援という下からの支えで補って行くのが私どもの仕事です。これを繰り返すうちに利用者様の出来る力は少しずつ向上して行きます。同時に支援は小さくなります。
 ただこの期間がいつまで続くのかは誰にも分かりません。一月、三か月、一年、あるいはもっと必要かも知れません。そこに支援させて頂く側のモチベーションの維持という課題が発生します。
 利用者様の支援を通じて、自己研鑽、或いは支援力の向上まで視野に入れて日々処遇に従事されている方は、小さなことにも多くを気づき、喜びや生きがいをたんと感じておられるようです。それこそが長続きするエネルギーの核のようなものだと思います。時には良薬口に苦しということで諸注意を受けることもあります。失敗もあります。そんな時には人間ですから良くない感情に捉われることもあります。でもいつまでもそこに留まっていては自己の成長には繋がりません。
 時には客観的(冷静)に自分の性格や特性を分析する事も必要です。自己覚知によって感情や態度を意識的にコントロールして、私の価値観や感情、片寄のある考えなどを他者に押し付けないようにしなければなりません。実際にはなかなか難しいことですが理想に近づく努力は出来ます。
 利用者様の成長と私どもの成長はセットです。愛情や喜びや感動などを共有する事が可能になります。

powered by QHM 6.0.9 haik
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional