これから
これから
今日から新しい元号「令和」が始まりました。
「平成」という時間を振り返ると正直複雑な気持ちになります。
あまりに多くの命が度重なる震災で奪われました。今も尚、悲しみの心でいっぱいの方々が同じ時を過ごされています。思わず南無阿弥陀佛…と唱わずにはいられない。そんな事が幾度もありました。
原発事故のために故郷に戻ることも出来ず、生きてゆく希望さえも断たれてしまった方々…原発の安全性が私たちが信じていたものよりはるかに脆弱なものであったと知るには、あまりに大きな犠牲でした。
宗教の名のもとに、殺人さえも平然と行ってしまう人間の愚かさを知らされた事件もありました。
毎日毎日、殺人、虐待などの悲しいニュースを聞かない日はありません。一体この国はどこを向いて歴史を刻んでいるのでしょうか。
巷では便利で簡単に手に入る幸福が氾濫しています。人々は目先の利便性の追求に忙しく、どこかに心を置き忘れているかのようです。
いつも脳裏の奥で言い知れぬ不安を抱えています。急成長している科学技術や経済のグローバル化ほど人の心は進化していません。人間の尊厳や命の尊さが薄っぺらな紙切れのように扱われているような気がします。
善も悪も両方を持ち合わせているのが人間。そのどちらもが人を人として足らしめるために必要として備えられたものであるならば、その狭間で生じる苦悩を超えるところに、人となるための試練があるのかも知れません。
そんな時代に振風苑は誕生しました。これからも成長という変化を遂げながら、誰かの役に立てること、寄り添ってゆけること、それが振風苑の役割であることを願ってやみません。